ハナ吉の雑記ブログ

日々思ったこと、趣味、たまには愚痴統一感はない、本当に自分の記録用!

【三大噺】しっぽ、ニート、氷

こんばんわ。唐突ですが、三題噺に挑戦してみました。
火曜日、まだまだ週の初めで憂鬱な夜かもしれませんが、
くすっと笑っていただけたら幸いです。





ニートになって早一年。
最初は感じていた両親に対する罪悪感も感じなくなった。
そんなある夜、いつも見ている猫耳Vチューバ―の生配信のお供に夜食のカップ麺をつくっていた。
そのとき、手が当たりお湯を沸かしていたポットを倒して、沸き立つ寸前の熱湯が右の足の甲に全部かかった。


「ぅあっちい!!」という声も出ないほど驚きと焼け付く肌の感触を感じ、急いで風呂場へ走った。
一番冷たいメモリに合わせシャワーを全開にして足にかける。
ヒリヒリ痛むやけどがじんわりとおさまっていくのを感じる。
幸いやけどしたのは右足の甲だけであった。
はだしで良かった。
こんな状況だが配信を見逃したくなかった俺は風呂場で足を冷やしながら見ることにした。
部屋にスマホを取りに行くついでにもっと冷やすために氷を洗面器にいれ氷水に足をつけた。一時は相当焦ったが、何とか配信開始時間に間に合い癒しのひと時をかみしめていた。
その時ふと目の前の鏡を見た俺は目を疑った。
なんと鏡に映る俺の背中に何やら見覚えのないモノがのぞいていたのだ。恐る恐る後を見ると、、「なんじゃこりゃ?!」
それはズボンからはみ出し背中でS字を描く茶色の毛の棒だった。いや、棒というには柔らかすぎるだろう。


「これは、、、。しっぽ、、?!」


そんな馬鹿な、ニートになったせいか?!両親への罪悪感を感じなくなったせいか?!猫耳Vチューバ―に癒しを求めて多額の課金をしたせいか?!


『そうだにゃ!このしっぽは本物で、とってもふわふわなんだにゃ~!』
コメントの質問に答える猫耳の美少女のカワボよりも、自分の身に降りかかった事実に震えていた。


手を伸ばして触るとそれはふわふわだった。
とても。
ずっと触っていたくなるくらいに。


とにもかくにも、落ち着いて配信を聞いていられない。だいぶ溶けた氷が浮いているキンキンに冷たい水から足を抜き、おもむろにカップ麺を作って食べた。
もうやけどをしないように細心の注意を払いながら。
とりあえず落ち着こうとカップ麺を食べるも、しっぽは戻らなかった。


どうにもこうにもいかないので、やけどした足をかばいながらお風呂に入ることにした。シャワーホックの下にでかでかとある大きな鏡を見ないようにしてあったかいシャワーを浴びる。
体を洗うときにあの尻尾を洗わなけばならないのかと、何とも言えない気持ちでお尻に手を伸ばす。


「、、、、ない。」


パッと目を開き鏡に目を向けるとそこにはしっぽはなかった!!
なぜだ?!
氷水に足をつけてしっぽが生え、温かいシャワーを浴びるとしっぽが消える、そういうことか。


「いや、らんまかよ!!!!」